ボツリヌス療法とは

脳性麻痺や脳出血・脳梗塞後の症状の一つに、痙縮(けいしゅく)があります。痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくかったり勝手に動いてしまったりする状態です。痙縮に対する治療の1つにボツリヌス療法があります。
ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。

当院では脳性麻痺や脳出血・脳梗塞の後遺症で、上肢や下肢の痙縮がある方に、この治療を行なっております。

ボツリヌス療法の効果

ボツリヌス療法によって次のような効果が期待できます。

  • ・注射した部位の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなります。
  • ・関節が固まって動きにくくなるのを予防します。
  • ・関節が変形するのを予防します。
  • ・リハビリテーションが行いやすくなります。
  • ・痛みを和らげる効果が期待できます。
  • ・介護の負担が軽くなります。

ボツリヌス療法の副作用

1番多い副作用は注射を打った部分の疼痛や腫脹・発赤です。また、注射の効果が強く出過ぎると筋力低下が起こることもあります。詳しくは医師までご相談下さい。

治療内容とスケジュール

  • ①脳性麻痺、脳梗塞・脳出血後で痙縮の症状にお困りの方は、診察時に医師にご相談ください。ボツリヌス療法が適しているかどうか、判断します。
  • ②ボツリヌス療法が望ましい場合は、治療についてご説明し、注射の日程を決めます。
  • ③治療予約の日に、痙縮を起こしている筋肉の数カ所に、筋肉注射をします。

ボツリヌス療法の費用

ボツリヌス療法には保険が適応されますので、治療費の自己負担は1割から3割となります。比較的高価な薬剤ですので、詳細な金額につきましては治療の予定を立てる際にご案内いたします。